2007年10月21日日曜日

Chez Panisse


先週の話になりますが。バークレーにある有名なレストラン、chez panisse( http://www.chezpanisse.com/)
へ行ってきました。

アリスウォーターズによって71年に創業された、というお店ですが、ローカルの農場(ローカルファーマーのサポートでもあり)で、環境に負担なく生産された厳選された素材を使っていることで有名。地のもの旬のものを、素材を殺すことなくおいしく食べるというのは、アメリカでは難しいけれど、ここではそうしたことがもう30年以上も続いているのです。メニューは4皿1コース、と決まって、入手される素材によって毎晩コース内容が変わります。

椅子についてまず出された野菜。ラデイッシュとフェンネルの茎をきっただけのものだったのだけれど、久々に野菜を食べて、「おいしい!」、と声に出してしまいました。西海岸の州はどれも農業が盛んな土地であり、ファーマーズマーケットなどで旬のオーガニックの野菜を手に入れる機会には結構恵まれています。でも、カリフォルニアは多分他のどの州にも劣らず、農業と人とのつながりが強い。生産する人、作る人、食べる人、それぞれがきちんとつながっているから、土地から生まれるもの、土地のチカラのようなものを、体に安心して受け入れることができるのです...自分で望む限り。

どこに住んでいてもそうなのですが、今は自分でそうしたスタイルをきちんと選ばない限り、量産された出所の不明なものを何も分からないまま、どんどん体に溜め込んでいくシステムになっているのではないかと。値段が安いからという理由で選んでしまう食べ物が、無機質・有害なものをどれだけ含んでいるのかも分からない。

旬を都市部で食べるということは非常に贅沢にもなりえるのですが(実際、オーガニックのものを手に入れるのは非常に値段が高い!)、こうした土地と人とのつながり、というものを、本当に実感できるのは、口にいれて、おいしい!と感じ、素材のチカラを頂いている、と感じることができる瞬間にあるのではないかと思います。

アリスウォーターズは最近、プラスチックのボトルに入った水を撤廃しよう、という活動にも参加しています(プラスチックを生産・リサイクル・廃棄する過程や、そのボトルを宅配する際に発する燃料費を削減して環境に負担をかけない、ということですね)。現在レストランで出される水は水道水をろ過したもの、もしくは自家製のスパークリングウォーター(おいしかった)です。

いろんな意味で、環境と人と食、ということを実践しているレストランですが、予算の許す限りまた行ってみたいと思います。毎日の生活でも、体にも環境にもやさしいおいしいもの、をなるべく(これまた予算の許す限り)食べてみたい。

写真は同行者takimoto氏によるもの。食べ物の写真、もう少しとっておけばよかった。

2007年10月2日火曜日

夏の思い出


気がつけばもう10月。早いなあ。
今年は9月頭に1週間だけ日本に帰国したので、本当に久々に日本の夏を楽しむことができました。
楽しかったけれど、蒸し暑かった。

季節のないサンフランシスコ(夏なのにコートを着てる)は、ものすごく寒いとか、ものすごく暑いとかがない分、いつも同じに思える。だからこちらへ来てからの2年は、おんなじ調子で毎日過ぎていくので、気がつけばものすごく時間がたってる。

季節があるのはやっぱりありがたいのです。

2007年10月1日月曜日

pixar

天気のいい土曜日。友達のお友達のそのまたお友達、という人が働くpixarへ遊びに行ってきました。

pixarといえば、最近ならばratatouille, cars, 少し昔で言えばnemoなど数え上げればきりのない名作を次々と作り出している会社。その仕事場にお邪魔できるのはめったにないのでもうそれはそれは大ハシャギ。

emeryvilleにある会社はそれはそれは頑丈そうなフェンスで囲まれていましたが、中はピクニックエリア、野外劇場、プールなどアメニティとしてのランドスケープには恵まれていて、しかもメインテナンスがしっかり行き届いるようです。外とは違ったお昼休みにこんなところでのんびりできたらさぞかし仕事もはかどうだろうなあ...っていうより、こういう会社のランドスケープデザインとかしたいよなあ...お金もかけられそうで、とうらやましく指をくわえ。



ビルの中もひろびろと。 入ったところまでは写真をとていいようだったので中の様子をパチパチと。
中央入り口付近にモンスターズインクでおなじみのものが..

このホールはいろいろイベントがある時にも使われているそうですが、両方にはカフェテリア。一つのカフェテリアは朝ご飯専用のもので、写真は朝ごはんがタダで食べられるそう。

...ええなあ。大きくて儲かっている会社は。と、なぜか貧乏な家の子どものようにすべてにジェラシー。

作品そのものの製作過程などが上のホールに飾れているのですが(今は最近公開になったratatouille)さすがにこれは写真に取ってはダメということなので、なし。




でも展示されたスケッチや細かな制作プロセスを見ていると、本当に細かなディテールにこだわっていることが分かります。小さなねずみの表情や動きはともかく、シーンの中で一瞬しか映されない背景や商品(自分たちでちゃんとラベルのデザインすらしているのですよ!)が、とてもとても細部にわたってデザインされているのです。ギャクのストーリーボードなるものもあったりして。想像力が豊かではないとやっていけなさそうなお仕事ですが、何より自分が本当に楽しく仕事しないと、こうした楽しさって伝わってこない。すごくクオリティの高い仕事が生み出される場所に興奮。

最後の写真は、出来上がった作品を見る社内上映室。試写室もあわせて3室。楽しいツアーでしたが、夢を売る人たちの、夢の現場を見られてとっても幸せでした。